その点、共働きでしかも妻が高収入という夫婦は、私学にとってウエルカムな“新しいお客”であることは間違いない。

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出典:「平成22年度子どもの学習費調査」(文部科学省)、「平成22年度学生生活調査」(独立行政法人日本学生支援機構)

しかも、共働き夫婦はリストラに強い。夫が1人で1000万円稼いでいる場合、夫がリストラされれば収入はゼロになるが、夫と妻が500万円ずつ稼ぐ共働き夫婦なら、一方がリストラされてもいきなり年収がゼロになることはない。

さらに、同じ世帯年収なら1人よりも2人で稼いでいるほうが税金が安いというメリットもある。所得税と住民税は累進課税であり、1人で年収1000万円の場合と、2人合わせて年収1000万円の場合を比較すると、後者のほうが約50万円も税金が安いのだ。私立の年間学費のほぼ半分を賄えてしまう金額である。

「だったら、共働きで何の問題もないじゃありませんか」

「経済的にはその通りです。ただ1つだけ問題があります。それは、お子さんをいつから私立に入れるかという問題です」

亜紀さんは小学校から私立に通わせたいと希望している。しかし、私立小の場合、親が全面的に学校教育に協力することを前提にしている場合が多いのだ。だから、さまざまな行事が当然のごとく平日にも開催されるし、PTA活動への参加もほとんど義務。仕事を持っているという理由で逃れるのは難しい。

つまり、共働き夫婦が子供を私立に通わせるなら、親があまり学校にかかわらないでも済む中学からというのが、より現実的な選択なのである。

藤川 太
1968年、山口県生まれ。ファイナンシャルプランナー。東京、大阪、名古屋に拠点を持つ「家計の見直し相談センター」の看板相談員。教育費と老後資金の危機を憂える著書『サラリーマンは2度破産する』(朝日新書)や『1億円貯める人のお金の習慣』(PHP研究所)が好評。
(構成=山田清機)
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