食費:廃棄率は平均30%!使い切るだけでこんなにお得

食費の節約というと、皆さんが思い浮かべる方法は「外食を我慢する」「賞味期限ギリギリの安売り食品を買う」などでしょうか。

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夫の昼食代より大きい「食材のムダ」(※4 食費および嗜好品-家具・家事用品および被服・履物-は総務省の「平成22年家計調査」の数字を利用)

しかし、肝心なのは我慢や無理ではなく、「ムダを省くこと」。食費の節約におけるムダとは、ズバリ「買ったけれど食べなかった食品を捨てること」です。テレビのロケなどで一般のご家庭の冷蔵庫を見せていただく機会がありますが、必ずといっていいほど「食べずにダメにしてしまったもの」「いつ買ったのかわからないもの」が入れっぱなしになっています。これではどんなに安いものを買うように努力したところで意味がありません。

奥さんに台所のことを任せている方はご存じないかもしれませんが、日本の平均的な家庭における食料廃棄率はおよそ30%。これは買ったものに対して、腐らせたり賞味期限が切れたりして捨てたものの割合です。つまり1万円のうち3000円を捨てているのと同じこと。これを改めるだけで、確実にお金が貯まります。

これは私の主観ですが、捨てられやすい食品のベスト3は「納豆・豆腐・もやし」。これらの共通点は、よく半額シールが貼られていることです。つまり賞味期限が短いので、安売りされていることが多い。安さに釣られて買うのですが、結局期限内に食べきれず捨ててしまうのです。それならいっそのこと、高い食材を購入したほうがいいというのが私の持論。そうすればもったいなくてちゃんと食べ切るようになります。

こう言うと、「献立を立てて計画的に買い物をしたほうがいいんですね」と聞かれるのですが、それは逆で、求められるのはむしろ応用力。残り物を上手に組み合わせて、一品つくれる腕です。たとえば肉じゃがでも野菜炒めでもカレーでも、春巻の皮で包んで揚げると、とても残り物とは思えないほど印象が変わります。中身にはすでに火が通っているので、フライパンに油を引いて揚げ焼きにするだけでOKです。あるいは初日に野菜がたっぷり入ったコンソメ味のスープをつくったら、翌日はトマト缶を加えてトマトスープに。さらにその翌日はカレールーを加えてカレーにすれば、目先も変わるうえに、料理にかかる時間も光熱費も節約できます。薄味からスタートするのがコツです。