社会の中には、さまざまなグループがある。住んでいる地域や、職種、さまざまな志向性によって、異なるグループが共存している。

みんなが知っているヒット・ソングがなくなってしまった、と言われて久しい。好きな歌、流行っている歌がグループごとに違う。このような状態は、文明の多様性の表れであると同時に、1つの問題でもある。

それぞれのグループの中では、お互いのつながりが強いが、異なるグループ同士になると、ほとんど交流がない。このような状態が続くと、社会全体に広がるような流行が起こりにくいし、新しいアイデアも伝わらない。

「強い結びつき」は、社会の中の同じグループの仲間同士をつなぐものであることが多い。すでに共有されている情報や価値を深めることには役立つが、それ以上の広がりにつながらない傾向もある。

だからこそ、「弱い結びつき」が大切になる。「弱い結びつき」でつながっている相手は、自分が普段活動しているグループとは違うグループにいる人の場合が多い。その人の持っている情報は、自分の世界を広げてくれるだろう。

社会全体に浸透するようなヒットを仕掛けるという視点からも、あるいは、ひとりの人間としての幅を広げるという観点からも、「弱い結びつき」を大切にしたい。

時間に余裕があるときに、自分の「弱い結びつき」の「整理」「棚卸し」をしてみよう。何かの会合で知り合ってそのままになっている、気になる「あの人」に1度連絡をとってみよう。

「弱い結びつき」が橋渡しとなって、あなたの世界が広がり、ヒットのきっかけがつかめるかもしれないのだ。

(写真=PIXTA)
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