図を拡大
図5/捨てる第一歩は自分のデスクまわりを「8秒ルール」で処分

最初に手をつけるといいのは、デスクまわりの整理整頓です。そもそも探しものに時間をとられているようでは、ビジネスマンとして失格です。詳細は図5に示しました。必要書類などの収納場所を外出先から電話で明確に指示することができたら理想的です。

情報に関しては、とくに今日、変化のスピードが速いことに留意しなければなりません。情報収集に時間をかけているうちに、更新や改善が進み、場合によっては古い情報は無用になってしまうのです。ですから、メモやファイリング、記事のスクラップなどに時間をかけるのは無駄であると思います。私は最初から8割を捨てるつもりで情報を集めています。

一番難しいのは、人間関係を「捨てる」ことです。先に「細い糸を繋げておけ」と申し上げました。それと矛盾するようですが、仕事上、マイナスになる人間関係なら捨てたほうがいいでしょう。

「マイナスになる」とは、その繋がりを持っているために自分自身の評価が下がってしまうというもの。たとえば、居心地がいい、気心が知れているからという理由でつきあいを続けるのは、プライベートならともかく、こと仕事においては自分の成長を阻害する要因になります。ときに緊張や心労を伴いますが、自分より能力や力量が高い人たちと交わることが成長には欠かせません。ですから、冷たいようですが、慣れ合った関係は仕事においては解消するほうがいい場合があるのです。

健康プラザコーワ、ドクターユキオフィス代表取締役
臼井由妃

1958年、東京生まれ。結婚後、癌に倒れた夫の後を継ぎ、健康器具販売会社の社長に就任。独自のビジネス手法で年商23億円の優良企業に成長させる。会社経営やコンサルタント・講演業務の傍ら、理学博士号・MBA・行政書士・宅地建物取引主任者などを短期間で取得した。
(構成=面澤淳市(プレジデント編集部) 撮影=市来朋久、飯田安国)
【関連記事】
なぜ、財布と家にモノをため込む人ほど貧乏になるのか
捨てる習慣:20代は先入観、40代は私欲、50代は手柄
他人の時間をいかにうまく使うか?
掃除の習慣:「毎日10秒」が断ち切る、負けのサイクル
なぜ掃除機で店内掃除をすると利益が上がらないか