まず、「大統領選挙で、インターネットやSNSから得られた情報があなたの投票行動に影響を及ぼしましたか」との問いには「はい」が13人、「いいえ」が4人。「はい」の13人に具体例を問うた回答の例が以下だ。

・政策や公約をわかりやすく整理して載せている候補者のブログやサイトから影響を受けた。
・候補者のツイッターを他の人が書いていることが明らかになって失望した。
・刺激的な内容の記事であればあるほど、書き込みも多くなり、社会的なイシューになる。それに影響を受けた。
・テレビでは知りえない裏話などを見て、表に現れない部分まで考えた。

興味深いのは、ネット選挙の長所・短所や、日本への助言があれば書いてほしいという設問への回答である。

・長所は素早い情報のやり取り。言論統制をほとんど受けない点。短所は、人を動員して作業することにより、世論や事実などを操作しやすい点。
・何が真実かがわかるのはしばらく経ってから。短期間ではあれ、有利な足場を固めるための嘘と歪曲された情報だけが社会に受け入れられてしまう。
・対立候補者を攻撃することができる。嘘や噂話が載るとあっという間に広がって、悪いイメージを持つようになる。
・まだ選挙権のない若者たちが情報をつくって流したりして扇動する。

……等々。誹謗中傷やネガキャンの真贋を見抜けないリスクを指摘したものが大半だ。昔から選挙に怪文書・怪情報はつきものだが、今はそれが一度ネットに載ると、真贋に関係なく桁違いに多い人々の目に触れてしまう。

「選挙終盤に凄いネガキャンが始まった」――韓国大統領選で両陣営を取材したTBSの高藤秋子特派員は言う。

文候補に対するそれは、党が出すテレビCMの映像が発端となった。

「自宅でのスピーチのときに座っている椅子だけど、あれ50万円の高価なデザイナーソファーだよね。どこが庶民派なんだ」――これがCMの放映当日にSNSを通して一斉に全国に流された。夫人が「中古で買った」と抗弁したが効果はなく、ネットで問いかけた有権者への返事もなかったことがそれに輪をかけた。