「大前研一ライブ」のつくり方

私はもう何年も前から新聞を取っていない。記事の取り扱い方(大きさや場所など)で情報に対する印象が操作されるし、世界中を飛び回っている身には“旧聞"が多いからだ。

私の情報源はもっぱらサイバースペースだ。「世界経済」「日本経済」「地方自治の動向」「重要な国の地政学的な変化」など、自分が興味のあるカテゴリー別にRSS(ウェブサイト上の記事の見出しや概要を配信するシステム)を活用して、幅広い情報源から自動的に情報を収集している。

1日に読む記事は約500項目。一週間で3500項目。そこから重要項目を50~60程度に絞り、自分自身の情報整理に使っているメールアドレスとBBTの総合研究所スタッフに送る。

スタッフがそれをパワーポイントでひとまとめにし、キャスターが読むべきスクリプトを作ってくれる。それに加えて「こういう分析を加味してくれ」と指示を出しておく。

こうして出来上がったレジュメを基に、日曜日夜8時から2時間にわたって「大前研一ライブ」で解説するのだ。一連の作業を1998年10月から年数回の週末にまたがる海外旅行の時を除いて休まずに続けているのだから、頭が老け込むヒマはない。