「いまはFBの重要度が高まっています。仕事の依頼もFBを経由したものが多い。互いが知り合いの状態でつながるため、『名刺』のような位置づけになっています。ただし新規の出会いは起きづらい。その点でツイッターは『ばらまきチラシ』のようなもの。私のイメージだけでも広がってくれればと思います」

取材場所は東京・原宿にオープンしたばかりのシェアオフィスだった。安藤さんはツイッターでこの場所を知り、自宅兼事務所を移した。同居するのは個人の裁量で仕事をするデザイナーやクリエーターだという。

「誰もが実名を公開する必要はありません。目的に応じて主体的に選択することが重要です。でもこれからは個人の時代。実名利用を会社に咎められるリスクより、会社を前提にしたリスクのほうが気になります」

脇田珠樹さん

通販大手ニッセン取締役の脇田珠樹さんは「企業文化を変えたい」と、2009年11月にツイッターを始めた。2月6日現在のフォロワーは7万人超。個人としては異例の数だ。

入社は03年。当初は、総合商社での経験を活かして、経営企画やIRを担当していた。「今後のネット通販にはSNSの活用が不可欠」と考えていたところ、09年からマーケティング担当となった。

「ニッセンは創業42周年と歴史のある会社で、カタログ通販のイメージが強い。ネット通販の売り上げ構成比率は約54%に上っていますが、旧来の企業文化も根強い。ネット業界の若いベンチャーに負けないためにも、経営陣の1人としていい意味での暴走をしようと思ったんです」

まずは自分から制限いっぱいまでフォローをしていく。5割ぐらいのユーザーはフォローを返してくれるため、「フォロー返し」への謝意を伝える。そのうえで反応を見ながら、「ネタ」になるツイート(投稿)を心がける。たとえば季節を捉えた風景写真は転送されやすい。ただし投稿時にはあまりコメントを書かない。

「××さんと一緒です」といった第三者には関係のないコメントがあると、共有されづらくなるからだ。