逆に女性が男性を率いるときは、意識的に第1、第2の領域も使うといい。

「女性上司で男性部下の扱いに比較的苦労していない人は、権威のパワーを上手に行使しています。社内のパワーバランスもわかっていて、さらに上の上司との調整もできるようであればいいですね。和気藹々と目の前の人間関係や仕事だけに終始してしまうと、男性部下は『もっと社内でうまく立ち回ってくれ』というフラストレーションを抱えてしまいます」

結果かプロセスかで温度差が生まれる

また青木氏はいわゆる「報・連・相」で生じやすい男女間の温度差についてもこう表現する。

「男性にとって仕事はいわば山登り。登った先、つまり重視するのは結果。一方、女性にとっては川下り。下った先ではなく、プロセスが重要です」

だからこそ女性の報告は「結果に至るプロセス」が長く、男性が「結果を先に言え」とイライラすることが起こりやすいのだ。「女性が男性に報告するときは結果を先に言うようにする。逆に、男性は日々のプロセスを『ちゃんと見てるよ』と頻繁に、継続的に伝えることでスムーズな関係が築けます」(青木氏)。

褒めるときも、相手が男性なら、結果を見て大きく取り上げる。しかし女性の場合は、植物に水をやるがごとく、日々のプロセスの中でいかに頻繁に声をかけるかがより重要になってくる。

「いつも会議の5分前に来てるね、とか些細なことでいいんです。『見ているよ』と伝える頻度と継続性が重要なんです」