2013年4月15日(月)

豪華客船の世界一周旅行が人気のワケは?

茂木 健一郎:世界一の発想法

PRESIDENT 2013年3月18日号

著者
茂木 健一郎 もぎ・けんいちろう
脳科学者

茂木 健一郎1962年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学博士専攻博士課程修了。理学博士。第4回小林秀雄賞を受賞した『脳と仮想』(新潮社)のほか、著書多数。

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茂木 健一郎 写真=PANA
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飛鳥IIは241m×29.6m、乗客数872名を誇る、日本最大のクルーズ客船だ。

日本を代表する豪華客船、日本郵船の「飛鳥II」に乗って、船旅をする機会があった。郵船クルーズの方から、お誘いをいただいたのである。

横浜港から乗って、サイパンまでの3日半の船旅。船中で、2回講演をした。仕事のための乗船とはいいながら、大いに満喫した。

「飛鳥II」の船旅というと、その豪華なことで有名である。一流ホテル並みの設備とサービス。さまざまなエンターテインメント。当然旅費も高価となり、100日間以上にわたる「世界一周クルーズ」だと、最上級の部屋は、料金が1人2000万円を超える。

夫婦2人で参加すれば、数千万円。1日あたり、数十万円の出費。それでも、「世界一周クルーズ」を発表すると、1番高いスイートの部屋から、売れていくのだという。

最高の部屋で世界一周をするというのは、誰にでも果たせるような夢ではない。そこまで行かなくても、より短いクルーズでいいから、あるいはもっと普通の部屋でいいから、乗ってみたいという人は多い。実際に船旅を経験して、その根強い人気の秘密がわかったような気がした。

飛鳥IIの船旅の極意は、その「パッケージ」にある。部屋は、バルコニー付きのスイートルームなど、豪華な、趣味のよいもの。しかし、似たようなホテルの部屋が、地上にないわけではない。

食事は、厳選された素材を使っていて、美味しい。しかも、長い船旅で、毎日食べても飽きないように、工夫されている。それでも、食事だけをとれば、飛鳥IIに乗るような人ならば、すでに経験しているだろう。

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