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規制してもすぐに似たような化学式の薬物がつくられる

次々と現れる類似のドラッグを「実質的に同等である」とみなし、規制をしようという動きもあります(包括規制)。しかし、「実質的に同等」とみなされる範囲や条件が示すことをしなければ、刑事法制の大原則からかけ離れたものになってしまうため、有力な解決手段にはなりえません。法規制化への模索がこれからも続いていきそうです。

規制していないからといっても、摂取することは薬事法で禁止されています。食べたり、吸引したりするのはもちろん、これは同性愛者カップルの濫用者に多いのですが、肛門へ挿入することもダメです。しかし、販売店は先ほど挙げたように、お香や入浴剤、ビデオクリーナーなどと言って、「人間が摂取するものではありません」といった注意書きまで入れて販売しています。例えば、効果のない健康食品を効果があると販売したら薬事法違反となりますが、これらの場合、幻覚効果があるのに効果に触れず、吸引目的で絶対に使用するななどと言って販売しています。こうなると犯罪としての立証が難しくなってしまうのです。

脱法ドラッグを安全なものと錯覚し、濫用者が増えていますが、これはとんでもない間違いです。医療用麻薬や覚醒剤などは、人間がどのくらい摂取するとどういう副作用があるか研究の結果ある程度わかっています。しかし常に未知の成分が含まれている脱法ドラッグの副作用は予想ができません。興味本位から死に至ることもありうるのです。脱法、合法、ハーブなどソフトな呼び方は様々ですが、これらも紛れもなく危険なドラッグなのです。

(構成=宮上徳重 撮影=坂本道浩)
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