一番大きな買い物は800万円の宝石

「資産の管理は税理士さん任せ。年末に申告だけしてもらっています。女房がプリントアウトした通帳やカードの引き落とし明細をチェックするだけ。お金を銀行に置いたままでは役に立ってない気もしますが、下手に株などに投資するとまた悩みのタネになるし、損もしますからやっていません」

支払いはカード派。長財布を持ち歩くのは、「カード20枚とお札を同時に入れられるのはこれだけ」だから。現金は常に20万~30万円持ち歩く。会社所有の都内マンションに家族4人で住み、子息を中高一貫の私立高校へ通わせている。

夫婦そろって旅行に出かけるのは年1回、渡米する年末の家族旅行だけ。時間的な余裕は十分にあるのだが、旅行中に限って仕事の電話がかかってくるからイヤだという。

「これまでで1番大きな買い物は、香港で800万円出して買った女房の宝石。イギリス王室に供給してる宝石店の店頭にあった宝石を気に入って。ウチは結婚式をやらなかったから、その代わりにね」

もっとも、夫人には「明日もう1度考えて、『買う』と言ったら買う」と一言。翌日、気が変わらないのを確かめて購入したとか。

「収入は、一定額を超えれば後はガツガツ働いても生活に違いは出ません。年収200万円が300万円に増えれば生活は変わるが、2000万円と3000万円の差はありません。私は数字のために生きているわけじゃない」

成果が表れるということが、私の自己満足なのだ、他人や他の企業に幸せをもたらすことができたということが達成感なのだ、という楊さん。にこやかだが真剣な口調からは、それが建前ではまったくないことが窺えた。

「お二人に限らず、これだけ稼ぐ方々は皆、本業が得意で、本業が好きだからそれに集中・特化している。いったん会社を売却して悠々自適の身になっても、1年もすれば飽き足りなくなって次の事業を始める方が多いですね」

前出の小林氏はそう付け加えた。

(PIXTA=写真)
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