割引攻め:カラオケ使い放題で1カ月7350円!

【第一興商】昼カラの3割を占拠/DAM倶楽部で開催している音楽レクリエーションのプログラムを楽しむシニアたち。

カラオケボックス「ビッグエコー」を運営する第一興商によると、昼間のカラオケボックス利用客のうち、65歳以上の割合は5年ほど前まで数%だったが、現在では約3割にまで拡大している。「グループで来て、みんなで歌う団塊世代が多い」と同社の保志忠郊・常務取締役はいう。定年で時間に余裕のできた団塊世代が、稼働率の低い昼間の「上得意」になっているようである。

カラオケがシニアの人気を集める理由について、保志氏は「老若男女みんなが手軽に楽しめる、最強のレジャーコンテンツだからだ。シニアに受け入れられるのは当然」と胸を張る。登録された曲目は15万曲以上。検索機能も便利になっており、20年前、30年前のナツメロでも簡単に探せる。

第一興商は11年11月、シニアのニーズを探るため、東京・高円寺に実験店「DAM倶楽部」をオープン。カラオケルームのほか、運動や講習に使うスタジオ、カフェなどを備え、無料で健康チェックができる「ケアラウンジ」もある。カラオケ教室をはじめ、フラダンス、ウクレレ演奏、ストレッチなど多彩な講習会が開かれており、1カ月使い放題のパックプラン(7350円。一部サービス別料金)もある。現在、平均年齢61歳の会員数は約230人。しかし、こうした割引攻め、特典攻めで会員数は伸びていくはず。

第一興商は首都圏を中心として、ビッグエコー内にDAM倶楽部のビジネスモデルを順次導入していく考え。「歌うという機能を核にしたカラオケボックスは、シニアの新しいコミュニティになりうる。まだ出店の余地は十分ある」と保志氏は意気軒高だ。