「完璧な候補者はどこにもいない。あなたもまた例外ではない」と、フェルナンデス・アラオスは言う。履歴書に不十分な点があるのではないかと心配するならば、面接官の関心をそこに向けさせずに自分の潜在能力を前面に打ち出そう。未来のパフォーマンスを示す指標としては、潜在能力のほうがはるかに有効な場合が多いのだ。「過去の実績がその仕事と直接関係がなくても、学習能力や新しい状況に適応する能力の高さを発揮してきたという求職者は、それをはっきり伝えるべきだ」と、フェルナンデス・アラオスは言う。

たとえば、国際舞台での経験がない人が国際的な仕事の面接を受ける場合には、生産部門と販売部門など、2つの部門にまたがるポジションで両方の人々を協力させてきた経験が、異なる文化を持つ人々と協働する能力を実証していると説明することができるだろう。

落ち着いて、自信に満ちた雰囲気をつくる

面接官は最初の30秒で候補者の人柄や知性について評価を下すという研究結果があると、リーズは言う。「部屋に入ってどのように話し、どれくらいリラックスしているように見えるかが重要なのだ」。うまくやる人々は、落ち着いてゆっくりとはっきり話す。自信に満ちた歩き方をし、動揺している印象を与えないよう、何を自分の心の「支え」にするかを徹底的に考える。リーズは、入室の仕方を何度か練習するよう勧める。自分の姿をビデオに撮って見てみるのもよい方法だ。電話面接にも同じことが言える。会話の最初の30秒を使って、自信のある落ち着いた人物という印象を確立する必要がある。

リーズは「ありのままの自分でいよう」というアドバイスを「明らかな間違い」と断定する。「面接は訓練を重ねたうえでの即席パフォーマンスであり、自分のベストの姿を見せようとする場だ」と、彼は言う。できるだけ多くの活力と熱意を面接の場に持ち込もう。だが、誇大宣伝してはならない。人材市場は供給過剰なので、採用する側は、候補者が自分の経験やスキルを誇張することを強く警戒しているからだ。「自分は何ができるかを語る場合には、それを確かな証拠で裏づける必要がある」と、リーズは言う。