中国・蘇州や浙江省・無錫の工業地区開発、ベトナム・ソンベ県の工業団地建設、インド・バンガロールのハイテク工業団地と空港建設などのプロジェクトを全部足していくと、アジア各地にシンガポールを扇の要として航空路と情報ネットワークで結ばれた「シンガポールズ」ができることになる。21世紀半ばまで見すえているリー氏の頭の中には「シンガポールズ」の宗主国、情報スーパーハイウェイの交差点として繁栄しているシンガポールの姿が、はっきりと描かれている。これは「シンガポール株式会社」を創業した代表取締役名誉会長としては、最高の21世紀戦略だと思う。

ただし、われわれが注意しなければいけないのは、実はシンガポールはチアリーダーに過ぎず、実際のカネは香港・長江実業グループの李嘉誠氏、インドネシアのサリム財閥、リポー・グループ、アストラ・グループ、マレーシアの砂糖王ロバート・クォク氏らアジア中の華僑が出しているということだ。