たとえばオーストラリアでは、ポール・キーティング前首相が「ルック・ノース」と言って西暦2000年までに英連邦を脱してアジアに入るという“脱欧入亜”の方針を打ち出して以来、朝7時のニュースの編成がガラリと変わった。

まず、アジアのニュースから始めるようになったのだ。テレビ局はアジア各地をくまなくカバーしていて、ベトナムやラオス、カンボジア、さらにはフィリピンの各島にまで記者やカメラマンを派遣している。アジア各国の現地からライブでニュースが送られてくるのが朝7時のニュースの標準になり、それによってオーストラリア人の意識が欧州一辺倒から“脱欧入亜”志向へと百八十度転回したのである。日本人がオーストラリア人のように変わるためには、日本の電波メディアがタイム・アロケーション、活字メディアがスペース・アロケーションを抜本的に変えなければならないと思う。