二流止まりの子の思考パターン(3)
「部活が忙しい。高校受験がないから、勉強できなくても今はいいかな」

中だるみに加え、中2になると部活にも熱が入り始め、勉強時間が不足することも出てくる。ここで踏ん張れるかどうかも一流と二流の分かれ目だ。二流止まりの子は「高校受験もないし、とりあえず勉強ができなくてもいいか」と、ずるずる勉強時間が減るのだ。

「部活で疲れて寝てしまうなど、計画通りにいかない時でも、1日数時間でもいいから地道にやっていく子は、優秀なビジネスパーソンのようにPDCAをしっかり実行しています。計画し(Plan)、実行してから(Do)、チェックし(Check)、改善ポイントを見いだす(Action)」

「子供版PDCA」、できない子が大多数だろう。吉田氏の分析によれば、それは中学受験で「塾依存の勉強スタイルが染み込んでいる」からだとか。塾は、試験に出そうな要点をまとめた資料や対策問題を次々に子供に渡す。その親切すぎるサービスがアダとなり、子供は常に受け身で、やらされることに慣れてしまっている。塾が培った「合格への方程式」に乗せられてきたわけだが、「一流大学を目指す段階になってもその姿勢のままでは伸びしろは小さい」と吉田氏。

二流止まりの子の思考パターン(4)
「受験テクニックさえ学べば大学受験も乗り切れる」

同じ学校に合格したのだから、それほど学力に差がない、と考えるのは早計なのだ。

「例えば、国語です。中学受験では国語の実力がいまひとつでも合格する子が案外多いんです。なぜなら、記述式より選択式の解答のほうが多いから。漢字やことわざ、文法などの問題は反復練習しているので正解できるし、問題文の『筆者の言いたいことは何か、次の中から選べ』といった選択式の出題も、塾直伝の受験テクニックで、ある程度絞り込むことができます。つまり、問題文をよく読解できていなくても正解できる。でも、中高では記述式問題が増え、出題文もより難解になります。テクニックでは正解できなくなる」