データをインプットするのに必要な習慣は、効率のいい情報収集術を心がけるよりも、ひたすら行動することではないでしょうか。ヒットチャートを賑わせている曲が面白いタイトルだなと感じたら、とりあえずiTunesをクリックしてみる。気になるDVDがあったら思い切って買ってみる。

そういえば、芸人の品川祐君が興味深いことを言っていました。彼は本屋に行って気になった本があったら、読めなくてもいいからとにかく買うようにしているのだと。そうすれば万が一、その著者に街でばったり会ったとき、「あなたの本を読みました」と声をかけることがベストではあるけれど、仮に読んでいなくても、「読もうと思ったんです」ではなく、「もう買ってあって、これから読もうと思っているんです」と声をかけることができる。そこで行動できるかどうかで、対話するきっかけも内容も大きく変わってくるわけです。

『芸人交換日記~イエローハーツの物語~』という本を出して、舞台化もしました。自分たちの今後についてこれまで話を避けてきたお笑いコンビが、交換日記を通して意思を確かめる内容です。この発想のきっかけになったのは、妻との交換日記を続けていて、これって何か面白いんじゃないか、と思ったこと。それと役者さんが入れ代わり立ち代わりで同じ文章を読む「ラブレター」という舞台の存在を知って、この芸人版がつくれないかなと考えたことでした。ふとした習慣が企画に結びつく。僕たちの仕事は、そういうことの繰り返しです。

ただ自分の習慣が「オフの習慣」と言われると、違和感を覚えます。通常は仕事がオン、仕事が休みの状態がオフと呼ばれますが、家庭を大事にしている人からしたら、家にいる時間がオンであって、仕事がオフかもしれない。特に今の時代、家庭と仕事を大切にする比重も変化しているから、オンとオフの区分も人それぞれだろうし、僕はほとんど区別していません。自分の好奇心に従って行動することにオンもオフもなく、プライベートも仕事も全部繋がっている状態は決して悪くないような気がします。

放送作家 鈴木おさむ
1972年、千葉県生まれ。19歳で放送作家デビュー。「笑っていいとも!」「SMAP×SMAP」「お願い!ランキング」ほか、様々な番組を担当する、今、最も売れている放送作家の1人。著書に『ブスの瞳に恋してる』『テレビのなみだ』など。(衣装協力=FAT)
(構成=鈴木 工 撮影=滝口浩史 写真=PIXTA)
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