人びとはどのサービスをどの程度利用し、その傾向は年々どのように推移しているのか――。プレジデントオンライン編集部がビデオリサーチ社と共同で お届け する本連載。首都圏の消費者を「お金持ち」層(マル金、年収1000万円以上)、「中流」層(マル中、年収500万円以上から1000万円未満)、「庶民」層(マル庶、年収500万円未満)という3ゾーンに区切り、生活動態の分析を試みている。


 

4月から異動の地での新しい生活や、引っ越し、共同生活のスタートなど、生活スタイルを一新しようとしている人は多いのではないだろうか。家電製品をはじめ、新生活に「あれも欲しい、これも欲しい」という気持ちになるのはワルくない。実際に買えるかどうかはまた別問題として。そこで今月は「ネクスト生活必需品」をテーマにした。

中流家庭は太陽光発電に興味大!?

ビデオリサーチ社の生活調査をさらに深堀りし、それらのうち「所有しているもの」と「欲しいもの」をでまとめてみたのが、この表である。まず現在、どういった生活必需品をどれだけの家庭が「所有している」かを見てみよう。表1は調査結果から抜粋した生活必需品を所有率順に並べ替えたものだ。

所有しているもの(男女25~59才、世帯主もしくは女性家事買い物担当者、N=1603)

こちらは多くの家庭にあまねく普及しているものと、マル金層とマル庶層ではっきりと差が出たものなど様々な傾向が見て取れる。

所得別で最も差が大きかったのは「温水洗浄機能付便座」である。マル金層では69%とほぼ7割がすでに所有しているのに対して、マル庶層では27%の所有率。マル金層では既に生活必需品だが、マル庶層にとっては贅沢品のようだ。

ほかに所得間の差が大きかったのが「食器洗い乾燥機」。こちらはマル金層での所有率が43.6%。マル金層のキッチンの場合、ビルトインされている場合も少なくないのだろう。昨今、据え置き型の「食器洗い乾燥機」も普及し価格が下がってきているとは言え、5万円を超えるものが多い。マル庶層での所有率が10%を切っているところを見ると、まだまだ手が届かないということか。

また雛人形・五月人形やピアノなどのように、所得差よりもその背景にある世代間の感覚差に起因するのではないかと疑われる所有率の乖離も見て取れる。

反面、エアコンのようなものでは所得層に関わりなく、大半の家庭に普及していることがわかる。