しかし、いじられることを許容していると、

×「そんなに太っていたら、早死にするんじゃないの?」「借金いくらあるんだよ」

と過激なことを言われたり、企画会議のような大事な場面で、「おまえの資料は読まなくていいか」と仕事に支障をきたしそうないじられ方をされることがある。ここだけはいじられたくないと思ったときは、話題を変えるか、「やめてください」とはっきり拒絶したほうがいい。笑いのプロではないのだから、傷ついてまでいじられてもしようがないのである。

自分の中で許せる範囲であれば、そこは責任を持って笑いに変えていこう。もしあなたが太っていて、暑い季節に「のどが渇いたから冷たいもの飲もうか」という話になり、上司がチームのメンバーに冷たいお茶を渡す中、1人だけホットコーヒーを渡されたとしよう。許容範囲なら、「いやいや、いま夏ですよ!」とでも否定しながら、汗をかいてコーヒーを飲むことで、「あいつは、いじりがいがある」の認識が定着していく。

「いじり=きついことを言うこと」と勘違いしている人も多い。自分がいじる側に立ったときは、「いじり」が「いじめ」にならないことに気をつけるべきだ。いじりの目的はコミュニケーションを円滑にすることであって、笑いが取れても相手が不快に感じたら元も子もないのである。

そのためには相手をよく観察し、ふれていいことといけないことを見極めておく必要がある。また相手に好意を持っていることを伝えるため、基本的に笑顔でいじると間違いが起きにくい。そこでビジネスシーンでは、“褒めいじり”を多用することをお勧めする。