3)思い切って行動を起こすこと

「自らの意思で行動する大人」になるということは、視野を広げることによって自分の選択肢について理解すること、発言することによってそれぞれの選択とその結果について議論すること、そして勇気をもって行動することによって実際何かを選ぶこと、である。これらは「受け身の子ども」としての在り方の対極にあるものだ。日本の若い人たちの目には、こうした生き方はどのように映るのだろうか?

『採用基準』著者の伊賀泰代さんとの対談内容が、現在発売中のプレジデント2013.4.1号に掲載されています。

現代社会においては、若者の失業問題が大きな問題であるという認識が高まっているが、新たに雇用を生み出しているのは大企業よりもスタートアップや中小企業である。いまこそ日本の若者には起業するのにまたとない機会にように見えるが、日本では依然として起業に消極的だ。企業が面倒をみてくれる居心地のいい「親子関係」に比べれば、「大人と大人の関係」は冷たくて魅力のないものに感じるかもしれない。しかし、リスクをとる覚悟のある若者たちもいる。今回、オープンしたばかりのHub Tokyoで、世界とつながり、協働している若者たちと出会ってそう感じた。むこう数十年で、日本のY世代は、高齢化する人口を支え、途上国と先進国の格差が縮まっていく世界で節度を持って生き、工業化と環境保全のバランスをとる、という方面で能力を磨いていくだろう。そこから得られるスキルと知恵は、日本の若い人起業家および大企業が世界に向けて発信できるものである。

視野を広げ、発言することを恐れず、勇気をもって行動を起こす――それが日本のY世代がこれから生きていくグローバルな世界での生き方である。いまこそシフトのときである。

(撮影=市来朋久)