定年を間近に控えて、これからの人生をどう歩むかをあれこれ思案する。多くの人は仕事を続けたいと思う。新たな人生の基礎となるものだから、次の仕事を決めることは大切だが、ほかにも忘れてならないことがある。

年金、健康保険、雇用保険、税金など定年時にやっておかなければならない手続きだ。これをうっかり忘れると、後で雑事に追われることになるので気をつけたい。

まずは年金だ。昨年来、年金は国民の一大関心事になっており、すでに年金手帳や加入期間の確認をしたという人は多い。まだ調べていないという人は、念のため問い合わせしておいたほうがいい。厚生年金加入者は会社で、国民年金加入者は、最寄りの社会保険事務所で確認できる。特に転職を経験している人は、必ず加入期間を確認しておくことだ。

また、55歳以上の人は、社会保険事務所で受け取れる年金額を試算してもらえる。加入期間等をチェックする際に、自分の年金額を調べておくことができる。これは調べておきたい。

定年後も働くという人は、厚生年金に加入することができるので、再就職先にそれが可能かどうかを確認しておくこと。また、年金の受給資格期間(25年間)を満たしていなければ、年金はもらえないが、一定の条件を満たしていれば、受給資格期間が短く設定されている特例に該当する可能性がある。詳しくは、勤務先や最寄りの社会保険事務所に聞いてほしい。

次は、雇用保険だ。定年退職が近づいたら、会社に「雇用保険被保険者証」の有無と「離職票」の受け渡しが郵送か、手渡しかを会社に確認する。