「TOEFLで500点を取れなければEAPを修了することはできないので、入学したばかりのころは、多くの学生は1日に10時間は英語の勉強をします。そのため、4カ月もすると、ほとんどの学生が、国際問題を議論できるレベルになります」(中嶋学長)

キャンパス内にある寮で生活しているため、終電を気にせず、24時間365日オープンの図書館で勉強に集中できるというわけだ。

次の関門は、留学前に必要なTOEFL550点をクリアすること。

「3点でも不足したら留学を1セメスター(学期)遅らせなければなりません。そうすると卒業に影響しますから、学生は必死ですよ」(学長)

このように、学生が英語に一生懸命にならざるをえない仕掛けがいくつも設けられている。

海外留学は1年間、行くことが義務づけられている。31カ国・地域の111大学から選ぶことになる。留学費用は学費に含まれている。

TOEFL550点というハードルをクリアして留学するのだが、もちろん、留学では苦労することも多い。

例えば、現役の国際教養大生有志によるブログ「留学体験記2011~国際教養大学から世界へ~」(http://aiublog2011.blog136.fc2.com/)には赤裸々な心情が掲載されている。オーストラリアに留学した女子学生は初日のことをこのように記している。

「頑張って話そうとしてもpardon?(なんて言ったの?)といっぱい聞かれるし、(中略)私の英語力のなさに、心なしかちょっと面倒くさそうな態度をとっているような気がするし、そんな悪循環で、もうほんとに初日は泣きました(※11年2月27日記事より)」