今のやり方の延長では年収は3倍にはならない。gooリサーチとの共同調査の結果をビジネスの異才が解説、高収入社員に共通する25のコツを抽出した。

「走りながら考える」とよく聞くが、あれほど効率の悪いことはない。これは私の持論なのだが、走りながら考えることはできない。考える時間と、企画書づくりなどアウトプットする時間は別物である。作業が遅い人は、考えながら作業しているからだ。それではダメなのだ。

発想と思考のコツ2
図を拡大
発想と思考のコツ2

自分の将来のための投資に、時間とお金をかけている人も多い。それも必要だとは思うが、その前提としてまず、どの仕事をやり、どの仕事をやらないのかということを考える時間をつくることが重要である。その時間をつくっておかないと、人は流されてしまい、気づいたら1年が終わり、気づいたらこの仕事をやっていたということになってしまう。それが二番目のポイントの「捨てる(やらない)ことを決める」(発想と思考のコツ2)ということである。

必要な作業を積み上げていくと、時間が絶対的に足りなくなる。そのためには「水曜日には絶対に仕事を入れない」といったルールを自分でつくる必要がある。現実には「そんなこと、怖くてとてもできない」という人がほとんどである。責任が重くなればなるほど、そう感じるかもしれない。しかし、たとえば「社長ではないとできない仕事」をやめたほうが、結果的にうまくいくことも少なくない。

ところが、「客の1割を断ったほうがいい」とアドバイスしても、怖がってやろうとしない。確かに短期的には、売り上げに影響が出るかもしれない。しかし、少し長いスパンで見てみると、多くの場合、売り上げはそのほうが伸びる。たとえば従来型の営業マンは、うるさいことをいわず、一番利益をもたらしてくれる顧客のところにはあまり足を向けない。逆に「できるだけ安く、できるだけたくさんサービスしてくれ」という、うるさい顧客のところに呼ばれて、足繁く通うのである。それが営業マンの努力だと、勘違いしているのだ。そうした利益が薄く、しかも時間ばかり食う顧客は断り、新規の顧客を開拓する。あるいはあいた時間で新しい営業のスタイルを考える。そういった取り組みをすれば、売り上げは飛躍的に増加する。