食品業界にも年収1000万円企業が誕生。明治HD(1021万円)、キリンHD(1016万円)、アサヒグループHD(1014万円)の3社。いずれもHD(持ち株会社)だが、日本経済の低迷期に揃って大台を突破したところに、食品大手の安定性と底力を感じる。この3社とサントリーHD(985万円)、サッポロHD(911万円)、味の素(926万円)、日清製粉G本社(896万円)の7社が、食品業界の高給企業といえる。

前年比134万円増と大幅アップしたアサヒだが、HDになったことが要因。「アサヒグループHDは管理職集団のため、当然のことながら平均年収は高くなる。一般社員(アサヒビール単体)は、給料が上がったという実感はないと思う」(同社広報部)。シェア争い同様、年収でもキリンとのつば競り合いは続く。

前年と比較すると、乳製品を除いてほとんど順位の動きはない。水産・冷凍でニチレイ(796万円)と日本水産(771万円)の首位交替があったが、ここは年番のようにクルクル変わっている。調味料・食用油では、ともに30%を超える味の素(926万円)とキッコーマン(769万円)の差は2012年も縮まらなかった。食肉加工における日本ハム(800万円)と丸大食品(668万円)の、100万円超の開きも変わらず。

前年比155万円の大幅減の雪印メグミルク(640万円)は、経営統合の影響による。11年4月、日本ミルクコミュニティと雪印乳業を吸収合併し、従業員総数が前期より一気に2879人増加した。

※すべて雑誌掲載当時

(ライヴ・アート=図版作成)
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