すぐにビジネスにつながる「数字センス」を磨く練習問題を、ミリオンセラー『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』の著者が伝授。足し算、引き算、掛け算、割り算という、算数の知識があれば十分解けます。

Q.次のうち、粉飾決算の疑いが強いのはどちらか?

(A)売上高 10億円/利益 1000万円
(B)売上高 10億円/利益 100万円

企業経営者の多くは、たとえ100円でも利益を計上したいと考える。当然、赤字が発生したら、少しでも早く赤字体質から脱却できるように、さまざまな手を打とうとするはずだ。

問いにあるように、同じ10億円の売上高を持つ企業が2社あったとしよう。今年度の両社の決算書を見たところ、一方は1000万円の赤字を、もう一方は100万円の利益を計上している。

公認会計士 山田真哉氏

今年度は、折からの不況の影響で非常に経営環境が悪く、多くの企業が業績を落としていると仮定しよう。そのなかで、わずか100万円ではあるけれども、利益を計上することのできたB社は、賞賛するに値すると言えるだろう。

ただし、それは100万円が本当の利益であれば、という前提条件付きの話だ。

まず、利益を売上高で割った値、すなわち売上高利益率を計算してみよう。

B社の場合は、次のような計算になる。(100万円÷10億円)×100=売上高利益率 0.1%