半年で月2億円の安定した収益

「屋上ってこんなに気持ちのいい場所だったんだ」

MBAで学んだ手法を使い、屋上付き戸建て住宅事業を立ち上げた東邦レオ常務(イノベーション社長)の岡崎富夢氏。

青空の下、爽やかな風と暖かな日射しを一身に受けていると、思わずそんな言葉が口をついて出る。ここは、とある住宅地に立つモデルルームの屋上。といってもコンクリートむき出しの無愛想な造作ではなく、パネルで床面を覆い、ソファを置いた、リラックスできる空間だ。

屋上同様、住居部分もユニークで、外装は職人の手をかけた塗り壁、室内は広々とした間取りにシステム家具をつくり付けにした、上質なインテリアが目を引く。販売価格は33坪の家で1544万円。建材や設備に高級品を使い、庭園風の屋上を備えているが、富裕層限定でなく、サラリーマン家庭も対象にしていることがわかるだろう。

この珍しい「屋上付き戸建て住宅」を販売するのは、イノベーションという社員30名ほどの会社だ。事業開始から半年で早くも月2億円の安定した収益を挙げている。

「目指したのは、住む人にサプライズをもたらす『すごい家』。他社製品とは圧倒的に違うという意味で、アップル社のiPhoneのような家を目指しました」と、仕掛け人の岡崎富夢氏は語る。

岡崎氏は35歳にしてイノベーションを設立し、社長に就任した人物。それまでは親会社の東邦レオで、長年ビル工事など法人相手の事業に関わってきた。それが一転、個人向け、しかも未経験の「家づくり」へと進出したのは、社の業績が悪化の一途をたどる中、状況をガラリと変える「イノベーション」を起こさない限り、未来はないと判断したからだという。

さかのぼること2009年、リーマンショック後の景気後退により、イノベーションの親会社・東邦レオもまた、赤字ギリギリの財務状況に追い込まれた。ビルの断熱工事や緑化施工で年間70億円を超えていた売上高は60億円までに減じ、しかもその3割を占める断熱工事は、受注価格の値下がりによる採算割れが続いていた。

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