Q 不況のせいで売り上げが上がりません。私のせいですか?(45歳・男・広告代理店)

申し訳ないのですが、「不況で売り上げが上がらない」と言っている時点で、相談者の方は仕事から逃げている気がします。不況はあなたのせいではない。

でも、売り上げが上がらないのは、あなたのせいです。問題は、この不況下で売り上げを上げる工夫をあなたがしているかどうか、なのです。

僕は今の不況は大した不況ではないと思っています。それに、日本が成熟化して、安定から衰退に向かう道では、今みたいな状況がこれからもずっと続くと思っています。

不況だ、不況だと叫んでいれば助けてくれる人が現れてくれるならいいですが、そんなこと言っても誰も助けてはくれません。だったら、自分の会社を自分がどうにかしてやる――というくらいの姿勢が必要なんじゃないでしょうか。

相談者の方の年齢を見ると45歳。それくらいの心意気があってしかるべきだと思います。

部や課のマネジメントを任されていてもおかしくない年齢ですし……。

僕自身がマネジャーの人に期待するのは、自分で問題点を発見し、自分でチャンスを見つけ出すことです。厳しい言い方になってしまうのですが、その2つを持たず、言われたことだけをやる人は、マネジャーではないと思うんです。

できない理由を考えるのは、簡単なことです。

それから、できるかできないかよくわからないうちに、自分はできないと規定してしまうことは、ビジネスパーソンにとっては、誤りだと思います。少しでも可能性があるのだったら「ひょっとしたら、できるんじゃないか?」と思ってみることが、チャンスを広げる糸口になるのではないでしょうか。

それからもうひとつ。小売業である我々の場合、お客様との接点である現場が重要なんですね。店で働く人たちの「気づき」がどんどん本部に伝わってこないと、商品の品質向上もできません。接客する人たちが「この商品のここはこうしないと売れない」と感じたのであれば、お客様はもっとそれらを強く感じているはずです。

いま一度、現場の意見に耳を傾け、売り上げが上がらない問題点はどこにあるか、そして、その突破口はどこに存在するのかを探してみてはいかがでしょうか。

商売というのは、結局のところ売り上げが上がらない原因は、お客様が喜ぶ商売をしていないから、ということに尽きると思います。