【亀田】ところで内藤さん、電子マネーはお使いですか。

【内藤】JALスイカだけ使っています。電子マネーの問題って、本屋で本を買うかiPadで読むかって問題と似ていると思いますが、ご祝儀が電子マネーになったら味気ないですよね。

亀田潤一郎先生

【亀田】実は私、電子マネーもクレジットカードも持たないで生活する実験をやってみようと思っているんです。現実のお金の受け渡しがなくなっていく世の中に、違和感があるからです。

【内藤】FXで損しちゃう人なんて、まさに現実感を失っているんでしょうね。たとえば保証金を600万円入れるというとき、画面の上だと単なる数字に思えてしまいますが、現金で入れるとなったら大金ですよ。電子マネーになると、心理的な抵抗感が小さくなってしまうのです。

【亀田】いやぁ、内藤さんのようにマネーの最先端を走っている人がそういう感覚を持っておられるのは、嬉しいことだなぁ。

【内藤】僕はお金を使うこと自体は、まったく悪いとは思っていなくて、節約なんてほとんど意識していません。必要だと思ったら、20万円のブランド物のバッグでも買います。でも、ATMで手数料を105円取られるのは絶対に嫌なんです。

世間の人を見ていると、30円のもやしを買ってきて節約料理を作っているくせに、冷蔵庫の中で食材を腐らせていたりして、バランスが悪いことがとても多い。僕は、お金に関して大切なのは、バランス感覚だと思っているのです。バランスの悪いものって、絶対にうまくいかない。いかにもジャズが似合う内装のバーで演歌が流れていたら、お客は入りませんよね。