70年代から90年代前半にかけての日本企業が一番元気な時代にコンサルタントの仕事をしていたおかげで、得難い経験を随分させてもらった。日本の経済復興を牽引してきた戦後第一世代の経営者とのお付き合いもそうである。傍らにいるだけで習うことは本当に多かったし、経営論や組織論、戦略論などを議論する貴重な機会まで戴いた。お金をもらいながら勉強しているという感じだった。

思い出深い人ばかりだが、たとえば立石電機製作所(現オムロン)の創業者である立石一真さん。1900年(明治33年)生まれの立石さんは、50歳を過ぎてから従業員を100倍、売り上げを1000倍にして、倒産寸前まで追い込まれていた町工場を世界企業へと飛躍させた。松下幸之助さんや盛田昭夫さん、本田宗一郎さんらに匹敵する大経営者であり、「50を過ぎて事を成したのは伊能忠敬と立石一真だけ」と私は評してきた。