人びとはどのサービスをどの程度利用し、その傾向は年々どのように推移しているのか――。プレジデントオンライン編集部がビデオリサーチ社と共同で お届け する本連載。首都圏の消費者を「お金持ち」層(マル金、年収1000万円以上)、「中流」層(マル中、年収500万円以上から1000万円未満)、「庶 民」層(マル庶、年収500万円未満)という3ゾーンに区切り、生活動態の分析を試みている。


 

男は自分の美意識にどこまでこだわっているのだろうか。ナルシズム傾向は本物なのだろうか……。

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(左)「肌の手入れに気を配っている」男性、(右)「アンチエイジングに関心がある」男性。ともに12~69歳を対象。

今月はビデオリサーチ社のACR調査から男性の身だしなみ意識についてのデータを抽出しているが、最終週はいよいよ「肌への意識」調査である。

「肌の手入れに気を配っている」というグラフが上昇傾向を示すのは2009年頃から。この時期、男性たちの心境に変化が出たことは歴然としている。

世の中でも流行した言葉を振り返ると「草食男子」「オトメン」「弁当男子」などの言葉が並ぶ。男性には男性らしくいてもらおうと、女性たちには「女子力」を活性化させようという動きも現れた。

しかしつるんとしたきれいな肌で、優しげな男性がもてはやされる傾向は全体的に強かった。

その影響が男性の「肌への意識」を強くしたことは言うまでもない。

一方で、前年の「リーマンショック」が与えたリストラなどの影響は「より若く生き生きと見えるには肌のきれいさも大事」という男性への警鐘を鳴らした部分もあるのかもしれない。

男性化粧品の老舗、株式会社マンダムでも同じようなデータを掴んでいるという。

「『男性化粧品といえば何を想い起こすか』というアンケートを長年とっているのですが、それまでは1位が整髪料だったのに、確かに2009年以降、スキンケア商品と答える人が増え、2011年には、とうとう『整髪料』を『スキンケア』が上回りました」(マンダムPR)

同社にはすでに10~20代向けのGATSBYと30~40代向けのLUCIDOという、2大ブランドがあった。このスキンケア志向の高まりを受け、2011年からはLUCIDOを「40代からのLUCIDO」と、明確に年代設定し直した。

ビデオリサーチ社の調査でも、2011年から「アンチエイジング」に対する質問が加わったが、年収1000万円以上のマル金層は翌2012年には5%増でアンチエイジングに気遣い始めたとわかる。

「バブル期のぎりぎり最後の世代ももはや40歳。その当時は思いきり働いて思いきり遊ぶ人生がかっこよかった。睡眠不足と暴飲暴食の上、休みにはスキー、ゴルフ、サーフィンと紫外線を浴びて、肌に負担をかけまくっているんです。おまけに男性は毎朝のひげ剃りで肌の角質表面を削り取るという、女性よりも過酷な肌環境にある。そのツケ、と言いますか、シミやシワなどの自覚症状も出て来ているのだと思います」

2011年発売のLUCIDO新製品には話題の成分「コエンザイムQ10」を配合し始めた。2013年2月25日にはさらに初期加齢による「肌のギラつき」に着目した、「薬用オイルクリア洗顔フォーム」と「薬用オイルコントロール化粧水」を発売する。

「我が社でとったアンケートによると『男も肌がきれいだと得することがあると思う』と答えた人がなんと90.3%にも達しています」

「就活で好感をもたれた」「実年齢よりも若く見られる」「ほっぺをぷにぷにされて気持ちいいと異性に言われた」など、肌がきれいで「得をした」という理由は様々だが、仕事もプライベートも美肌男子にはいいことづくめだということらしい。再度、再々度の就活や婚活もありうる世の中だから。

「人は見た目が9割」などという本もあったが、第一印象重視の傾向はますます強まるに違いない。

※ビデオリサーチ社が約30年に渡って実施している、生活者の媒体接触状況や消費購買状況に関する調査「ACR」(http://www.videor.co.jp/service/media/acr/)や「MCR」の調査結果を元に同社と編集部が共同で分析。同調査は一般人の生活全般に関する様々な意識調査であり、調査対象者は約8700人、調査項目数は20000以上にも及ぶ。