フランスからのメール

横山遙香さん(福島県立富岡高校2年生)。

横山遙香(よこやま・はるか)さんは福島県立富岡高等学校国際スポーツ科国際コミュニケーションコース2年生。この記事を書いている今、横山さんはフランスはパリの郊外ランブイエにいる。1月8日から、富岡高校の姉妹校、ランブイエのルイバスカン高校に短期留学生として現地に旅立ったのだ。現地からメールが届いた。

「フランスは初めてです。『TOMODACHI~』で行ったアメリカとの違いですか……。いちばん驚いたのが、英語が通じないことですね(笑)。フランスのマックにみんなで行ったんですけど、注文するのに英語で話したら『英語わからない』って言われてどうしようかと思いました(笑)。近くに通訳の人がいたので、その日はどうにかなったんですけどね。今、ホームステイしてるんですけど、英語通じないんで辞書でフランス語調べながら頑張っています」

富岡高は1950(昭和25)年開校の公立高。2004(平成16)年に日本サッカー協会(JFA)から福島県に人材育成プログラムの提案があり、それを受けて2006(平成18)年に1学年2クラスの普通科のみだった高校は、1学年3クラスの「国際・スポーツ科」へと再編された。この年からルイバスカン高との姉妹校交流が始まっている。国際・スポーツ科の中には、3つのコースがある。横山さんが通う国際コミュニケーションコースと福祉健康コースでは、地元の4中学校と連携し、高校教員が中学校3年生に英語や福祉を教え、一部の部活動では中高一緒の練習も行われてきた。国際スポーツコースには、JFAの中高一貫エリート育成プログラム「JFAアカデミー福島」に参加し、寄宿生活をしながら楢葉町のJヴィレッジでトレーニングをしていた生徒たちが所属していた。

横山さんがフランスに行こうと思った理由は何ですか?

「フランスでは英語が通じると思っていたんで、英語を勉強したいっていう気持ちが強くて、それでフランス交流に申し込んだんです。わたしは小さいころから英語が好きで、親の話を聞く限り、1歳頃から英語のビデオを見てたらしいです(笑)。将来英語を使った仕事に就こうと思っているので、英語力を上げたくてフランス交流に申し込みました。フランスの文化についても学びたくて申し込んだっていうのもあります」

ここで大人の側には「フランス行ったって英語学べないだろう」と思う前に、ちょっと考えて戴きたい。ほんとうにフランスでは英語が学べないのか、実際に現地に行って実感した大人はどれほどいるのか。高校2年生の時点で、フランスの語学教育環境をどの程度知っていただろうか。直接横山さんから話を聞いたこちらは「TOMODACHI~」で合州国に行った翌年に、今度はフランスに行って「辞書でフランス語調べながら頑張ってます」という横山さんに理屈抜きの力強さを感じる。さて、横山さんは将来何屋になりたいですか?

「キャビンアテンダントになりたいと思ってます。その夢を持ったのもつい最近で。小さいときから、将来は英語を使った職に就きたいと思っていて、キャビンアテンダントっていう夢を持つ前は、英語の教員になりたいと思っっていました。旅行で沖縄に行ったときや、今回『TOMODACHI~』でアメリカに行ったときに、機内で働いているキャビンアテンダントの人を見て、自分も機内で英語を使って働けたらいいなと思って」

横山さん、キャビンアテンダントになるための進路はどのように考えていますか。

(明日に続く)

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