レズネスキーが挙げているのは、病院で病室清掃を行っている作業員たちの例だ。

彼らはいつ病室が開いているかとか、どの製品を使えば入室患者にとって安全かといった情報を、中央一元管理の派遣センターから受け取っていた。

だが、派遣センターは必ずしもいつも最新の情報を持っているわけではなかった。そのため作業員たちは効率的に仕事をすることができず、不満を感じていた。やがて彼らは各病棟の事務員と関係を築き、それからはもっと正確な情報をもらって、もっと効率的に清掃作業ができるようになった。

もちろん、上司や同僚との関係がとくに難しい場合は、彼らと一緒に働き続けることはできないかもしれない。「ジョブ・クラフティングというものはどんな職務状況でも好転させられる万能薬ではない」と、レズネスキーは述べている。

トラブルの元凶となりがちな「愚痴」を言わない

自分に合わない仕事をしているときは、とにかく誰かに愚痴を聴いてもらいたいという思いに駆られがちだ。だが、それは賢明な方法とはいえない。

「仕事について愚痴を言うのはトラブルの元だ。その愚痴が何かの拍子に組織の他の人々の耳に入らないともかぎらない」と、スプライツァーは言う。

そのうえ、愚痴を言うと他の人々の気分も滅入らせる。不満があるのなら、自分の力では変えられないことについてぶつぶつ言うのではなく、むしろ自分が変えられることに重点的に取り組むほうがよいだろう。職務状況を改善したら、それまでより耐えやすい状況になるかもしれないが、次の一手を打てる態勢はつねに維持しておくべきだろう。

「職務状況を改善することは大切だが、新しい機会に対してアンテナを張っておくことも大切だ」と、スプライツァーは言う。最新版の履歴書を用意し、自分が行きたいと思う分野の人々とたびたび会うように心がけよう。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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