困ったときに頼りになる社外人脈をつくる

【TECHNIQUE】「ビジネス仲人」で信頼を構築すべし

人脈をつくろうと思うなら、偉い人に取り入ったりメリットのある人脈をつくったりしようとしないことが大切です。

年齢を重ねていけば、自動的に周囲の人たちの地位も上がっていきます。「こいつは将来、偉くなるかな……」なんて値踏みしながら人と付き合う必要はまったくありません。

人脈は10年、20年という長期にわたってつくっていくものです。これを「人材のベンチャー投資」と私は言っていますが、その際のメルクマールは「自分と波長の合う人」かどうかです。波長の合った人であれば、何らかの問題が起きても「社内で何とか頑張って説得してきます」と言ってくれる。やがて彼ら彼女らが出世すれば、強力な人脈となります。業界の有名人やキーマンと付き合うべきという意見もありますが、自分を押し殺して付き合っても長続きしません。

では、どうやって社外の人たちと結びついていくか。私がお勧めしているのは、自分のプラットフォームをつくることです。具体的には異業種交流会や勉強会など、業界を超えてさまざまな人が集まれる「場」を自分で主宰するのです。

そうすれば今まで出会えなかったような人とのネットワークを築くことができ、情報収集や他業種の見方など、さまざまなメリットを得ることができるでしょう。

いきなり大きな会を主宰するのは難しいので、友人が友人を連れてくる数人程度の会を催すだけでも確実に人脈は広がります。

もっと簡単にできるのが半径3メートルから始める「ビジネス仲人」です。これは、引き合わせたら双方にメリットがありそうなビジネスパーソン同士を紹介することです。  具体的には、自分が仲人となって3人でランチをする。そのメリットは、2人の会話から化学反応が起きて自らの勉強になるうえ、紹介した人との信頼関係が深まることです。インターネット全盛時代だからこそ、リアルの出会いが重要性を増していると思います。

すでに構築した人脈のメンテナンスも大切です。同窓生や同期の人、転職した人なら前の同僚とも親しく付き合っておくべきでしょう。

平野敦士カール
東京大学卒業後、日本興業銀行を経て、NTTドコモで「おサイフケータイ」普及の責任者を務めた。現在、ネットストラテジー代表取締役。『プラットフォーム戦略』など著書多数。
(構成=宮内 健 撮影=上飯坂 真)
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