2013年2月8日(金)

体質が変わる発酵食のお弁当

プレジデントFamily 2012年4月号

山崎さちこ、堀井明日香(シェルト*ゴ)=構成・スタイリング 上野 敦=撮影
教える人:舘野真知子(発酵料理研究家、管理栄養士)
発酵食品の健康パワーを毎日のお弁当に生かす知恵をご紹介。作り置きできる「万能こうじだれ」の作り方やおかずのレシピを、記事の中から抜粋してご紹介します。

 

健康な体をつくる発酵食

「発酵」は、食品の栄養を微生物が分解する繁殖活動。その過程でアミノ酸やビタミンB群をはじめ、健康に役立つ成分がぐんと増え、さらにうまみや風味、保存性も高まります。
 この微生物=発酵菌といえば、乳酸菌や納豆菌がおなじみですが、日本人に最も身近なのはこうじ菌です。カビの仲間で、じつは日本の環境でしか育たず、日本醸造学会が「国菌」と定めるほど。しょうゆ、みそ、酢といった日本伝統の発酵食品は、このこうじ菌を米や大豆、麦などで発酵させて造ります。とくに手軽に自家製できる「塩こうじ」は、塩と同じ感覚で使え、子供も食べやすいはず。作り置きしてお弁当作りに役立てて。

発酵食の5大元気パワー

1.免疫力を高める
全身の免疫力を支える細胞や抗体の60%は腸に集まるといわれる。発酵食品に含まれる乳酸菌などの微生物は、この腸内の善玉菌を優勢にする助けに。腸内環境を改善し、免疫力をサポートする。

2.アンチエイジング効果
発酵食品の原料となる食品中には、ビタミンCやカロテンほかさまざまな抗酸化物質が含まれる。発酵プロセスの酵素の働きでこれらが抽出され、体の細胞を老化させる活性酸素の抑制力が高まる。

3.肥満を防ぐ
発酵食品には、脂肪細胞に脂肪をたまりにくくさせる必須アミノ酸、エネルギー代謝に不可欠なビタミンB群が豊富。微生物の腸内環境改善も代謝アップにつながり、脂肪がたまりにくい体質に。

4.生活習慣病を防ぐ
発酵で生成されるペプチドが血圧を安定させ、必須アミノ酸が脂肪を分解するほか、ドロドロ血液を防ぐなど、発酵食品の種類により生活習慣病を防ぐさまざまな成分が含まれ、常食で症状も改善。

5.栄養価が高まる
原料の食品の栄養素はもちろん、発酵により生じるペプチド、ビタミンB群などがプラスされ、より栄養価の高い食品に。発酵の酵素分解で消化されやすい状態になっていることも大きなメリット。

上手に使いこなしたい おもな発酵食品

【酒かす】
米とこうじと水を発酵させた白い固形物「もろみ」を搾ったものが日本酒、残ったものが酒かす。立派な発酵食品のひとつで栄養豊富。

【甘酒】
炊いた米やもち米に、こうじを加えて作る発酵飲料。でんぷんが糖に分解されコクのある甘味、ほのかな酸味があり、乳酸菌も豊富。

【塩こうじ】
塩と水とこうじ(原料により米こうじ、豆こうじ、麦こうじがある)で作る発酵調味料。塩けが発酵でまろやかに。ほのかな甘味も。

【みそ】
穀物にこうじと塩を混ぜて熟成させる日本伝統の代表的な発酵食品。うまみ成分のアミノ酸が豊富で、地方によって米、大豆、小麦など原料や味わいもさまざま。

いつものおかずに発酵食品を取り入れると
栄養価はもちろん味わいもぐんと増します

発酵食品を料理に使うと、栄養やうまみが増すことに加え、さまざまなメリットがあります。たとえば、酵素が肉や魚のタンパク質を分解して身をやわらかくしたり、保水効果でしっとりする、魚などの臭みを吸って消すなど、料理をおいしく仕上げる助けにも。甘酒を卵焼きに加えると、いつもどおりに焼いても、ふわふわやわらかな口当たりに。魚や野菜とのアレンジ、時間をおいてもおいしいおかずなど、発酵食品はアイデア次第でお弁当の味わいも広げます。
 毎日、習慣的にとることは難しいと思いがちですが、お弁当の定番おかずにできたら簡単。とくに塩こうじは、塩のかわりにふだんの料理に使ってください。生で使えば生きた菌がとれ、60度以上の加熱で菌は死滅しますが、その死骸もちゃんと腸内環境の改善に役立ちます。

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