2013年1月10日(木)

なぜお金持ちは財布に5000円札を持つのか

「暮らしとマネー」のナゾ-ブロック型紙幣

PRESIDENT 2012年6月18日号

著者
亀田 潤一郎 かめだ・じゅんいちろう
資金繰り改善コンサルタント兼税理士、ブリンク・リンク・パートナーズ代表取締役

亀田 潤一郎1967年、神奈川県生まれ。大学卒業後、税理士事務所、経営コンサルティング会社を経て2003年5月に税理士開業。数字に苦手意識を抱く中小企業経営者向けに独自の通帳活用法を開発、「資金繰り改善コンサルタント」として活躍中。著書に『通帳は4つに分けなさい』『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』がある。

税理士 亀田潤一郎 構成=久保田正志
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1万円札は最後の砦

こういうとき「1万円札が残ってしまうと、後で少額の買い物がしにくくなる。今のうちに崩しておこう」と考えて、1万円札から先に使っていく人もいます。これは「手軽にお金を使いたい」という心理の表れです。

私の場合はあえて不便にして、無駄なお金を使いにくくしているのです。あくまでルールを守って、1000円札がなくなってから5000円札を使い、4枚の5000円札をすべて使ってから初めて、最後の1万円札に手をつけます。そうすることが、1枚だけの1万円札を最後まで崩さずに守ることにつながるのです。

私の考えでは、お札にはそれぞれの性格があって、もっとも少額の1000円札は流動性が高いフロー型の紙幣です。逆に高額紙幣である1万円札は入りにくく出ていきにくい、ストック型の紙幣です。

5000円札については、私は多くのお金持ちから、「1万円札が使われないよう真ん中で支える存在」という話を聞いています。1万円札は大将にあたり、5000円札はそれを守る家臣という感覚です。

下ろしたお金を10日の間に徐々に使っていくと、まず1000円札がなくなり、次に5000円札が1枚また1枚と崩れていきます。「お金がなくなっていく」という実感が生まれ、自然に「最後の砦の1万円札を守らなければ」という気持ちになってきます。5000円札はそのための、いわばブロック型のお札なのです。

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5000円札はこんなにレアだ

5000円札が早々になくなってしまうと、「少しお金を使うペースが早すぎるんじゃないか」と感じ、逆にお金を下ろす日になってもまだ1万円札が残っていると、「大将を守りきった」という満足感、達成感が湧いてきます。

このようにお札の下ろし方や使い方に自分なりのルールをつくることは、お金に意識を向けるためのよいきっかけです。

お金に好かれる人たちはみな、お金にしっかりと意識を向け、自分なりの使い方のルールを必ず持っています。お札の性格づけのように、自分でつくったルールをゲームのように楽しみながら、お金の使い方をコントロールすることで、自然とお金に好かれ、お金がたまる行動パターンが身についてくるのです。

税理士 亀田潤一郎(かめだ・じゅんいちろう)
学生時代に父の会社が倒産。その経験から「中小企業の経営者をお金の苦労から守りたい」と、苦節10年を経て税理士に。『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』などの著書がある。

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