2年ほど前に出産したサチコさんだが、「娘が高校を卒業したら夫婦で田舎に移住したいと思っています」。あくまで田舎暮らしは夫婦のビジョンなのだ。日本では夫婦より母子の絆が強くなりがち。夫は仕事で家に帰らず、妻は母子カプセルに閉じこもり、夫はますます家に帰らなくなり、いいことは何もない。逆に夫婦共通の楽しみがあれば男性はやる気をアップさせる。

「普段何もしない夫が、別荘では家事もやってくれるんですよ」

ちなみに、サチコさんは出産後も仕事のペースを落とさない。高年収でも外資はハイリスクなので、会社を辞めても、どこでも無理なく在宅勤務ができるように、自分でデザインの勉強をしたのだ。

「9時に子供と添い寝して、2時起きで仕事することもあります。結局、仕事が好きなんですね」

サチコさんの年収は500万円。子育てしつつ、激務の夫を支えるのにはちょうどいいくらいの働き方だろう。教育費から逆算して、給料天引きで貯金を続けている。

さらにハイリターンを望むならバリキャリ志向の女性を娶り、一緒にビジネスという手もある。例えば、数年前、資産家一族の息子に嫁いだリサさん(35歳)。ビジネスに関心の薄かった夫を支え、夫の実家の資金力を借りて起業。今では仕事もプライベートも一緒に過ごす。

「こんなに一緒にいる夫婦はいないんじゃないかと思うくらいです。最初はすごく厳しかった夫の一族にも、やっと『よい嫁を貰った』と言ってもらえるようになりました」と語る。

子供以外に共有する部分が多いほど、夫婦はしっかりと結び付き、それが家族に資産という形で返ってくるというよい例である。

料理上手なリサさんは、時間があるときは手づくりの食事で夫の健康を管理している。贅沢はしないけれど有機野菜などにはこだわる。健康管理は「夫をメンテナンスする」ことのかなりの重要事項だ。日本人の平均的な男性サラリーマンの生涯年収は約2億円。「夫という人的資産」の健康を損なうことは億単位の損失につながると賢い妻はわかっているのだ。