そもそも、子どもの教育費は大学まで行かせた場合、いくらかかるのか。資料により数字は多少異なるが、一般的には子どもひとりにつき幼稚園から大学まで、すべて国公立に通わせた場合で、約1000万円。途中で私立へ行かせることも考えると1500万~2000万円。小学校からすべて私立に通わせると約3000万円が必要だと言われている。

Bさんの場合、子どもを2人とも私立中学校へ入れたいとのこと。どのタイミングから私立へ行かせるかにもよるが、正直言って、いまの年収で私立受験とマイホーム購入の両方を実現するのはかなり難しいと思う。

ならば優先順位をつけて、子どもの教育を優先するならマイホームはあきらめる。マイホームが欲しいなら、発想を転換して、レベルの高い公立へ進学させ、大学は「奨学金」などを上手に利用することも考えてはどうか。

そもそも教育費とは、親がすべて現金でそろえる必要があるのだろうか。大学生にもなれば教育は自分への「投資」なのだから、教育費の一部は本人に負担させるという考え方があってもいいように思う。小さい頃からそれをきちんと言い聞かせておけば、本人たちもそういった気持ちが強くなるのではないだろうか。

あとは、人付き合いが好きな夫の、「とりあえず」のお付き合いを多少断って、「浪費」を少しずつ削減しよう。ボーナスからの貯蓄がまったくできないなら、月々ボーナスを分割してもらっていると仮定してお金を貯めるべきだ。月々8万~10万円程度は貯蓄を目指してほしい。

■「Noと言えない」症候群

【症状】会社の同僚との愚痴を言い合うだけの飲み会の誘いや、子どものおねだり、生保レディの勧誘など、すべてにNoと言えない病気。結果、交際費や保険費用など、ちまちました出費が雪だるま式に増える。
【処方箋】
気軽にYesと言う前に、「5年後、10年後を考えたときに、その行動を後悔しないかどうか」「投資としてきちんとリターンがありそうか」を一瞬考えてみることが第一歩。答えがNoならただの浪費。きっちりNoと言うべし。

■「不安貧乏」シンドローム

【症状】不安をあおりながら保険を売り込む生保レディの言葉を信じ、不必要な特約がてんこ盛りの保険を契約。プロに任せたんだから……と自分で検討することもなく言いなりに。
【処方箋】
「営業のプロ」は自分の売りたい商品をすすめる可能性も高いことを念頭に置く。「このくらいの金額なら入れる」ではなく、本当に必要な保障かどうか見極め、複数商品を比較しよう。保険についての書籍や雑誌は山のように出ている。まずは情報収集を。

家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー 横山光昭
1971年生まれ。FPとして司法書士事務所に勤務した後、2001年に独立。5200人以上の家計を再生した実績を持つ。著書『年収200万円からの貯金生活宣言』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)がシリーズ37万部のベストセラーに。
(構成=八村晃代 撮影=アーウィン)
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