今回は、忘年会シーズンによく訊かれる質問について考えてみます。

繁忙期にお客の満足度を高める方法

:まもなく忘年会シーズンですが、飲食店が気を付けた方がいいことってありますか?

ほとんどの飲食店では12月に売上のピークを記録します。いわゆる「書き入れ時」というヤツです。この時期ばかりは普段あまり繁盛していない店であっても、予約で埋まっていくというような事態が起こります。ましてや、日頃人気のある店では電話がひっきりなしに鳴って、それこそ猫の手も借りたいというような状態になります。

こうした際に一番難しいのが「予約対応」です。入れ食いのように予約の電話がかかってくるわけですから、それを逃さないように多少無理やりにでも詰め込んでいくというのが一般的です。ただし、ここに落とし穴があることが実は多いのです。皆さんも次のような経験があるのではないでしょうか? 予約の際に「2時間制でお願いします」と言われた。店が混みすぎていてサービスが全然回っていない。「この時期はコースでお願いします」と勝手にコースにさせられた、などなど。

年間を通じて赤字や限りなく赤字に近い状態で、12月で一気に帳尻を合わせるというような店であれば、そうした「乱暴」な対応も仕方ないと言えるかもしれません(とは言え、そうした店がその後、長く持ちこたえられるとは思いませんが……)。けれども、目先の売上を追うあまり、せっかく来てもらったお客に対して不満感を残すだけだとしたら、それこそあまりにも短期的な視点での応対ではないでしょうか。

例えば、よくある「2時間制」について考えてみましょう。鍋料理など最初からすぐにメインディッシュが出てくる店ならばいいかもしれませんが、実は2時間というのはあっという間です。ドリンクは大抵終了30分前くらいにラストオーダーを取りに来ますし、この時期は仕事も忙しいでしょうから、30分遅れて来るメンバーがいる、などという事態もよくあるでしょう。そうであるならば「本当に2時間でいいのか」という点に関しては改めて検討することが必要です。その結果、2時間半あるいは3時間にして、その分少し単価を上げようという選択もありえるのです。

またお客として、仕方ないと思いつつイヤなのは、予約の電話をかけた際に「○時間制になりますが、よろしいですか?」と確認されることです。流れ作業のベルコトンベアーに乗せられたようで、いい気分ではありません。それを少しでも和らげるためには、次のようなやり方も考えられます。まず原則として、時間制限を付けません。そして仮に20時からという予約席があったとします。次にかかってきた電話に対しては、「もし20時まででよろしければ、お席をお取りできるのですが…」と応じるのです(残念ながら予約の電話をした人以外には、この丁寧さは伝わらないわけではありますが)。このやり方では、完全なる2回転は期待できません。けれども、お客の満足度の平均値は確実に上がります。