グローバル競争で子供に必要なのは

私がタクシー運転手、自動車教習所の教官を経て、教科書会社の営業マンとして小・中学校に出入りしていた頃、熱心な先生方から「学校と連携して子供を育てられる塾はないか」という相談を受けました。学校と塾とでバラバラに教えるより、連携すればもっと効果が上がるというわけです。

しかし、当時は塾と学校は敵対関係でしたから、そんな塾はありません。そこで、学校の先生たちが放課後に教える塾を立ち上げ、私は会社とかけ持ちでそこの事務局を務めました。

ここで指導するうちに、子供は幼児の段階から生活習慣や学習習慣をしっかりつければいっそう伸びることに気付き、塾の中に幼児部門をつくりました。数や文字や音楽、英語、絵画、体操の専門講師をつけたのが受け、そのまま幼稚園を開園。さらに卒園児の学力を維持したいという父母の要望から、私立の小学校を立ち上げました。

ここでは塾に行く必要のない教育をするつもりでした。実際、授業の内容は進学塾と同等の水準です。しかし、ダメでした。やっぱりみんな塾に行くんですね。学力がついてくると、もっと上の水準の私立中学を目指したくなるし、仲のいい子供どうしで競争心に火がつくからです。“塾の要らない学校”は無理だとわかりました。

こんな経歴ですから、私は塾と学校の両方の内情を理解しているつもりです。学校にとっては恥ずかしい話ですが、正直、塾の先生のほうが教育する力がある。これははっきり言えます。学校にも立派でいい先生はたくさんいますが、大半はそうでもない。お母さん方も新年度は担任の“当たり・ハズレ”を口にしますし、各教科の学習が塾、集団生活を学ぶのが学校、と割り切っているご家庭もあるようです。