会社の評価の基準が変化するなか、どんな働き方が求められているのか、社員の悩みは尽きない。年代別「手放せない社員」の条件を明らかにする。

平井孝志さんのアドバイス

40代になると世の中の仕組みはどうなっているかが身をもってわかり、現実に目が向くはずです。自分は今後、どんな価値を発揮できるのかを考え直すよいタイミングです。

ローランド・ベルガー パートナー 
平井孝志氏

自分は何をやりたいか、何をしていたらハッピーなのかをとことん考えてみてはいかがでしょうか。いままで培ってきた能力、経験、ネットワークを振り返り、残りの人生で何を成し遂げたいかを真剣に考えるのです。

私は新卒で戦略系のコンサルティング会社に入った後、30代になってパソコンメーカーのデルやスターバックスに移りました。事業会社を経験して自分の幅を広げたいと思っての転職でしたが、40歳を前に、自分の強みが活かせるのはどこかと考え、コンサルティング会社に戻りました。30代にほかの世界を見たことで、自分が何に価値を置いているかをあらためて理解できたと思っています。

デルやスターバックスでは、ルーティンの仕事も多かったのですが、学ぶこともたくさんありました。組織の中で物事がどのように進んでいくのか、これは企業の中に身を置いて初めてわかりました。経営に実際にかかわったことは、いまの仕事や、大学の講師といった活動にも活きていると思います。

自分の経験を振り返っても、30代は無限の可能性に向かって能力やスキルを思う存分伸ばしていける年代だったのではないかと思います。見るもの、聞くもの、読むものすべてが自分の肥やしになるインプットの年代ともいえますが、40代になったら、アウトプットを意識すべきです。