準備の初期段階にやるべきことと直前でもできることは異なる。万全の体制で当日を迎えるためのコツを、厳しいスケジュールの中で成果を出してきた2達人が伝授する。

岩瀬さんの場合

ライフネット生命副社長 
岩瀬大輔氏

仮に100点のプレゼン資料をつくりあげたとしても、本番のプレゼンで準備した内容の半分しか相手に伝わらなかったらもったいない。

あるベンチャー企業のカンファレンスで、20社ほどが持ち時間6分ほどで次から次へ新商品を発表するという機会がありました。ところが、年に1、2回しかないチャンスなのに、時間オーバーでプレゼンがまとまらない会社がいくつもありました。プレゼンの時間は1社6分と事前にわかっているのだから、その時間内に終わらせるようにプレゼンを組み立て、前日まで練習を重ねてくるべきでしょう。

ただし、当日、本番ぎりぎりまで手をかけるのはあまり感心しません。テスト勉強なら徹夜してでも頑張りたいところですが、プレゼンの場合、徹夜して追加で詰め込める内容などたかが知れている。それなら、ゆっくり休んでコンディションを整えて本番を迎えたほうが力を発揮できます。

80%の完成度で十分なのに、それを90%、100%に高めようと無理して準備をし、コンディションを崩して30%しか発揮できないなら、80%のままで100%発揮できたほうがいいのです。