野田佳彦首相が、与党の大敗覚悟でついに伝家の宝刀を抜いた。

野田首相の狙いについて、周辺は「野党に転落しても、総選挙前の民自公3党合意は生きている。民主党の旧社会党グループなど左系が落選し、新たな保守・民主党が3党合意に基づき自公と連立政権を組むことを視野に入れている。参院では自公の過半数割れが続いており、民主党の協力抜きに法案を通せない」と解説する。

だが、それが成り立つのは衆院選後に自公が過半数割れした場合のみ。しかも自民党の安倍晋三総裁は大の民主党嫌いで通っており、民主党に連立を打診する公算は小さいという見方が一般的だ。

では、総選挙後の各党の獲得議席の見通しはどうなのか。全国紙政治部のベテラン選挙担当記者は、今回の総選挙の特徴をこう語る。

「前回の総選挙は民主党か自民党かを選択する選挙だった。今回は自民党か日本維新の会などの第三極かを選ぶ選挙。つまり自民党が増えれば維新の議席は減り、維新が増えればその分、自民党の議席が減る構図です。具体的には280議席を自民党と維新が奪い合うことになる」

衆院の定数は480議席。このうち200議席は民主党、公明党、みんなの党、共産党などの各党が分け合い、残りの280議席を自民党と維新が争うことになるという。

「民主党の議席は100議席を下回るのが確実で80議席の可能性も。創価学会の固定票がある公明党が約30議席。小沢一郎代表の個人人気票を持つ『国民の生活が第一』は比例代表を中心に15議席ほど。みんなの党が30議席、その他の共産党、社民党、国民新党、みどりの風などが合計25議席程度と予想されます。自民党の選挙対策本部の幹部も同じような見方をしています」

残りの280議席の内訳について、某民放の選挙担当記者はこう言う。

「自民党は伸び悩んだとしても最低200議席は確保。維新は最大で80議席程度でしょう。これだと自公で過半数割れするので、維新が連立入りする可能性がある。ただし自民党は最大で220議席獲得の可能性があり、そうなると維新は60議席に留まり、自公だけで連立を組むことになる」

いずれにせよ、民主党の連立入りだけはなさそうだ。