リタイア後こそ
人間関係は大切なものに

4番目の「財政」にも関わるけど、仕事をしているときに生まれるチャンスは大事。大企業に勤める人へのアドバイスになってしまうけど、海外の支店長などになって現地で友達ができたら大事にすること。現地から帰って日本で定年を迎える頃、「あと2年でリタイアだからゴルフでもやろうよ」とクリスマスカードを送ると、「60なんて若いから、こっちで働け」という話も出てくる。再就職して現地の日本人窓口として、いい給料もらっているゴルフ仲間を何人も知っています。

ボクとのつきあいでも同じで、海外で毎週のように一緒にゴルフをしていた人たちでも日本に帰任して、それっきりになってしまう人が90%。残り10%の人とはクリスマスカードをやりとりしたり、一緒に食事をしています。そういう人間関係は、リタイア後にすごく大事だという気がします。

財政の準備はすぐにはできません。ボクのように事業をやりたいなら20年前からお金を貯めないと。例えば株を買ったら、ちょっとの値上がりですぐ売るのではなく、ずっと持っていればいい。20年前にアップルの株を安く買っていれば、いまどんなに金持ちになれたかと思うでしょ? 金はなくてもリタイアまでには時間がある。時代をどう読むか、頭を使うことも大事なことですね。

ボク自身は資産運用のための投資をしたことはありません。ゴルフするための会員権は買ったけど……。あるカントリークラブの会員権を350万円ほどで買って、売ったときは4800万円。ずいぶん儲かったと思われるでしょうが、バブル崩壊で全部紙くずです。他のクラブの会員権に買い替えたから。ゴルフ会員権だけで1億5000万円ほどのプラスになり、紙くずになったのが約1億7000万円。2000万円ほど足が出ています。

いまは儲けるためではなく、生活を維持するためにお金を動かす時代。リタイア後の豊かな生活を夢見るなら、若いうちから準備したい。

ホールインワンがないのは
45年前のパーが原因

ボクの将来の夢は、ホールインワンをすること(笑)。まだやっていないからね。クラブ選手権を5回とって、シニア選手権は2位が最高位だけど、スーパーシニア、グランドシニアは5回、イーグルは100回ぐらいしたのに。

45年ほど前、戸塚カントリークラブの池越えのショートホールで池ポチャしてしまった。それで打ち直したら入っちゃった。そしたらキャディのおばさんが一言。「大橋さん、ナイスパー」。あれが入ったのが悪いんだよね(笑)。それ以降、カップまで5ミリというのが2回あったけど入らない。

それと85歳になること。7年間元気でいれば金婚式なんです。去年の3月22日が喜寿でしたが、東日本大震災があったので中止して、お祝い用に貯めていたお金を赤十字に寄付しました。金婚式は、妻をこれからも大切にしないとできませんからね。(談)