立教国際経営学科の平均点769点!

では、大学、さらには懸命に意中の職場を探し求める学生たちはどう対応しているのか。

英語教育に力を入れている大学としては、7年前に開学し、学生に対して1年間の海外留学と寮生活を義務づけるなどのユニークな取り組みを進める公立の国際教養大学(秋田市)や、08年に国際化教育の拠点である国際日本学部を開設した明治大学などが知られる。少子化や景気低迷を背景に、各大学ともに「英語」を看板にした就職支援やキャリア教育にこぞって力を入れている。

「エントリーシートを見た何人かの面接官から『点数が高いね!』と言われました。でも、『オレ、できます』とアピールするような学生は、日本企業では嫌われると思ったので、『大学2年生までにTOEIC900点突破』という目標を設定して、それをクリアするためにこつこつと努力してきました、と冷静に答えました」

そう語るのは、立教大学4年の田口憲之さん(仮名)だ。TOEICの点数はなんと960点。この“超”高得点も強力な武器となり、大手電機メーカーと大手化粧品メーカーの内定を勝ち得たのだった。

「英語力がないと海外と関わる仕事はできないと思っていました。私は帰国子女ではありません。でも、ビジネスで使えるレベルまで高めたくて、奨学金でアメリカのシアトルに1年間留学したり、米国人の友人に協力してもらってリスニングの特訓に励んだりしました」

同大学でもう1人、4年生の橋本博さん(仮名)も、TOEIC805点取得の成果をフルに生かして、大手電機メーカー2社と総合商社の内定を勝ち取った。

「海外で勤務したかったので、総合商社とメーカーを目指して就職活動しました。ある電機メーカーの面接では、『海外を希望するんだったら、このスコアを持っていればまずは大丈夫だね! これからの伸びに期待できる』と言われました」

特別に自分からアピールしたわけではなかったが、志望動機として「海外で勤務したい」と答える以上、英語の能力は問われる。そのときに、エントリーシートに書かれたTOEICスコアが効果を発揮したという。

橋本さんの場合、大学3年時に最初に受けたTOEICの点数は515点だった。iPodを利用して英語を流し聞きするとともに、好きな洋楽を歌詞カードを見ながら声に出して繰り返し歌うなどして、日々訓練を続けた。3年の夏には、フィリピンへの語学留学も経験した。結果、1年足らずで300点近いスコアアップを実現できた。