600点までは自助努力で取得を

TOEICのスコアのみならず、社員の英語力を上げるために何らかの研修制度を設けている企業は全体の5割超だった。そのほとんどが、全額または一部を会社が負担するという形だ。

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企業のサポート体制

社員の英語力強化について、古くから取り組んできた企業のひとつが住友商事。「グローバルコミュニケーション研修」として体系化され、留学や海外派遣のようなOJT以外に、OFF-JTの講座も多く揃える。たとえば、英語マンツーマンレッスン、英語即効セミナー、中国語研修(入門~初級~中級・全7講座)といった講座がある。一部を除き、「TOEIC600点を取得していること」が受講の条件だ。前出の西條氏は「600点までは自助努力で取得してほしい。採用時に英語の能力は見ないが、内定者にもそう伝えている」と話す。

日本IBMには2つの支援体制がある。1つは特定の語学学校と契約して実施する社内研修。もう1つは一定のTOEICスコア取得を前提に、通学や通信教育の受講料の75%まで会社が負担する教育費補助プログラムである。結果として、同社では社員のTOEIC平均スコアが10年間で100点上がったという。

突然TOEICスコアが昇進の条件になると通告された場合、短期間でのスコアアップは可能なのか。東京・青山にある英語・中国語スクール「プレゼンス」代表の杉村太郎氏は「40代、50代でも2カ月で150点アップされた方がいる」という。

TOEICスコアアップを目的とした講座がある同スクールでは、この1年程度で受講者が3割程度増えた。中には楽天の社員もいる。600点、750点、900点の3コースに分かれ、いずれも2カ月(週1回で8回)の短期決戦だ。

受講者の85%が会社員。20代、30代が7割強だが、学生や40代、50代の人もいる。受講理由は海外出張もさることながら、年配のビジネスマンなりの動機がある。「若い社員たちが英語を話せるのに、上司である自分ができないと立場がまずくなる」「再就職の際、少しでも有利になるように」といった具合である。