海外出張にも生産性がますます求められる時代。短い日数でどれだけの成果を挙げられるかは、ビジネスパーソンのテーマである。効率の良い快適な出張を実現するには、スムーズな移動および移動時間の有効活用がポイントのひとつになる。その鍵を握る、航空会社のさまざまなサービスを利用して、出張の移動時間を効率的に過ごしたい。

効率的な海外出張は出発前から始まる。オンラインで航空券を予約・発券し、出発前にPCやスマホなどでチェックインを済ませておけば、当日空港では手荷物を預けるだけで搭乗手続きが完了する。また上級クラスなら、専用のチェックインカウンターの利用はもちろん、空港によっては専用の保安検査場、あるいは専用の出国カウンターが利用できるケースもあり、朝夕の混雑時でも空港内の移動がスムーズだ。

一般に上級クラスはエコノミークラスよりもチェックインの締め切り時間が遅いが、空港には早めに着いておきたい。専用のラウンジが使えるからだ。大手航空会社のラウンジはサービス向上が著しい。例えばJALは、成田空港第二ターミナルに計3ヶ所の専用ラウンジを設置(*1)。PCやインターネット環境などを備えたビジネスセンター、多彩なメニューが揃うダイニング、バーカウンター、シャワールーム、さらに無料でマッサージが受けられるリラクゼーションルームなどを備える(*2)。アジアや欧州の大手航空会社が自社の拠点空港に設けるラウンジも総じて高品質。例えばアジア系では、多彩なサービスを備え、なかでもダイニングがひときわ充実したシンガポール航空、ファーストクラスの利用者は個室で1時間の全身スパトリートメントが無料で受けられるタイ国際航空のラウンジなどがある。

搭乗前にラウンジで仕事をすると、集中できて作業がはかどるという声を聞く。また成田発の北米線などの夜行となる便では、ラウンジで食事を済ませておくと、機内で眠る時間を確保しやすいし、シャワーを浴びてリラックスしておけば、眠りに落ちやすいだろう。搭乗の際も優先的に案内されるので、長い列に並ぶ必要はない。このように空港到着から搭乗まで専用の動線とサービスが用意され、時間を有効に使えるのは、上級クラスならでは。ちなみにカタール航空が本拠地のドーハ国際空港に設けた「プレミアム ターミナル」は、ビル全体が上級クラス専用になっていて、チェックインエリアから保安検査場、イミグレーション、免税店、そして大規模なラウンジまでを構内に完備。上級クラスの乗客に、よりシームレスな動線と快適さを提供する。