政府が計画する仮設住宅5万戸のうち、大和ハウスは約1万戸の建設を担当している。福島県伊達郡川俣町の現場はそのひとつで、戸数は160戸。福島第一原発の周辺地区から避難した人々が入居する。思ったより天井は高く壁も薄っぺらではない。ユニットバス、エアコンもむろん付いている。ただし必要最小限で、安いビジネスホテルよりはましといった感じである。

建設中の仮設住宅には1DK、2DK、3Kの3種類があり、家族の人数に応じて入居する。

建設中の仮設住宅には1DK、2DK、3Kの3種類があり、家族の人数に応じて入居する。

川俣町の仮設住宅建設には毎日200人前後の工事関係者が集まる。地元の人が主体で、なかには女性の姿もある。朝礼は午前8時から約15分間だ。

「おはようございます」と大きな声であいさつした後、ラジオ体操、肩もみがある。肩もみとは参加者が号令をかけながら、前に並ぶ人間の肩をモミモミすることだ。肩もみの後は「職長」による作業内容の発表である。数人の部下を持つ職長が全員の前に立ち、大きな声で「本日の作業はユニットバスの搬入。作業人員は10人。健康状態は良好です」などと説明する。

続いて、大和ハウスの「朝礼担当」、松崎陽一氏があらためて全員に作業内容の説明をする。現場所長の訓示、装備の確認で終了。その後、初めて現場に入った人に、現場事務所の中で安全についてのレクチャーが行われる。

所長の白石勇次氏は「仮設の工事では新規入場者が毎日30人くらいいます」と語る。「地元の人を優先して採用しています。住宅内部の清掃などは建設工事のプロでなくともできます。なるべく多くの人に働いていただきたい。それもまた復興の一環ですから。ただ、初めて顔を合わせる人が多いので、朝礼などを通してコミュニケーションを取り、安全に気をつけています」。

仮設住宅の建設に限らず、一度に大勢の人を集める必要がある現場には緊密なコミュニケーションが欠かせない。朝礼は必要不可欠なコミュニケーションツールなのだ。

(尾関裕士=撮影)