人びとはどのサービスをどの程度利用し、その傾向は年々どのように推移しているのか――。プレジデントオンライン編集部がビデオリサーチ社と共同でお届けする本連載。首都圏の消費者を「お金持ち」層(マル金、年収1000万円以上)、「中流」層(マル中、年収500万円以上から1000万円未満)、「庶民」層(マル庶、年収500万円未満)という3ゾーンに区切り、生活動態の分析を試みている。今回は百貨店に続くテーマとして、マル高、マル中、マル庶の各層の人たちが利用したことのある大手チェーン居酒屋を検証してみよう。 


居酒屋チェーンに高級シャンパン

まずはここ5年間の動きを全体で見ると、店舗数の多い和民が多いものの、2009年あたりからはやや右肩下がり。代わって魚民が微増している。11年は震災の影響もあり、帰宅組が増えたというのはシンプルに考えられるが、全体としてはやや大手居酒屋離れの傾向もあるように見受けられる。

マル庶では、魚肉ソーセージがあることで有名なさくら水産が09年にいったん下がっているものの、徐々に伸び、白木屋に迫る。魚民は09年から10年にかけて一度伸びたが、また翌年はダウン。土間土間が健闘しているといったところ。

景気の動き、世の中で「何が人気か」に敏感なマル中では、10年から11年にかけての魚民の伸びが目覚ましい。他店はほぼ右肩下がりの状況なだけに、目立った印象だ。

大手居酒屋チェーンにはあまり縁のなさそうなマル高では、09年から一気に人気が上昇してきた土間土間に注目したい。

いったいなぜ土間土間なのか。

そこでVR生活調査チームは、渋谷の土間土間に乗り込んだのであった。宮益坂の途中にあるビルの6階。まず調査員Kが、店員をチェックした。

「店員がみんな日本人ですね。それと、注文するとき、普通の居酒屋みたいに声で呼び止める形式。ああ、タッチパネルに入れるとかじゃないんだ」

紅一点の調査員Iは、分厚いメニューを一心に見つめる。

「すごく凝ったメニューですよね。有機野菜とか、素材にこだわっている感じを強調している。お酒のメニューも豊富で、しかもお酒の銘柄などにもこだわっていますね」

なるほど八海山、出羽桜など人気の銘柄が定番で揃っているようだ。

他店とは一線を画すこのプチ高級感戦略が、マル高の心をくすぐるのであろうか。ちょっとわかりやす過ぎる感じもするのであるが。

[グラフはこちら] http://president.jp/articles/-/7757

※ビデオリサーチ社が約30年に渡って実施している、生活者の媒体接触状況や消費購買状況に関する調査「ACR」(http://www.videor.co.jp/service/media/acr/)の調査結果を元に同社と編集部が共同で分析。同調査は一般人の生活全般に関する様々な意識調査であり、調査対象者は約8700人、調査項目数は20000以上にも及ぶ。