戦略系コンサルタントとして売り出しがたまたま早かったおかげで、私は戦後三世代にわたる経営者とお付き合いするという貴重な経験をさせてもらった。

当時は「狭い日本に閉じこもっていたら将来はない」「やはり世界最大のマーケットであるアメリカで勝負しなければ」というのが多くの経営者の口癖だった。しかし、どうやって世界に出ていけばいいのかわからないということで、「大前さん、なんとかしてよ」という依頼が殺到したのである。

「世界化の第1フェーズは現地の提携代理店を通しての輸出と販売。第2フェーズは自前の販売店の展開。第3フェーズは現地での生産、マーケティングの開始。第4フェーズは開発から販売までのワンセットのビジネス機能を現地に移管。最終段階の第5フェーズはグローバルベースでの再統合。それぞれの現場で創意工夫が生まれるような部分最適のオペレーションを取りつつ、価値観や連帯感を共有できるように再統合し、最適化を図る」

このような「グローバル企業に進化するための5つのフェーズ」を80年代はじめに打ち出して、これに則した世界化プロジェクトをかなり手伝った。