首都圏の湾岸部には港湾および倉庫や工場が建ち並ぶ地域がベルト状に連なっているが、今はほとんど使われていない。水際の一等地が、日本では工業化時代の名残としてゴーストタウンになっている。これも用途制限を撤廃すれば巨大な富を生む。私はかねて「湾岸100万都市構想」を提案している。千葉県木更津市の君津あたりから神奈川県横浜市の金沢八景あたりまでの東京湾ウォーターフロントに、住宅地、商業地、学校、公園などを一体的に整備して100万都市を誕生させるという構想だ。

この臨海エリアは日本の高度成長の一翼を担った京浜工業地帯であり、今までは産業のものだった。しかし、今や産業はことごとく中国などの海外に移転してしまった。羽田空港周辺などに多少の工場は残っているが、京浜運河沿いはどこもかしこも空っぽだ。倉庫街もほとんど使っていない。しかし、工業化社会の利権は、そのまま居座っている。たとえば、東京・豊洲の旧石川島播磨重工業(現IHI)造船所(東京第一工場)跡地には、三井系の同社と三井不動産が組んで「三井ショッピングパーク・アーバンドック ららぽーと豊洲」と超高層マンション「パークシティ豊洲」を建設した。だが、そういう再開発には疑問符が付く。私有地とはいっても、港湾利権の中で造船所だから保有が許されていた土地である。それを勝手に商業施設やマンションに変えていくことを容認したら、どうなるか? その周辺の再開発計画ができていない土地やコンセンサスが取れていない土地は空き地のままだから、市街化調整区域と同様の虫食い開発になってしまう。